長い歴史を持つ会津本郷焼産地では、土の中や水路の底など、町の至る所で様々な大きさ、模様の陶磁器のカケラを目にすることができます。それらの多くは会津本郷焼が最盛期を迎えていた明治から大正時代頃にかけて廃棄された陶磁器のカケラで、その「カケラ」一つ一つを注目してみると、当時の会津本郷焼に盛んに用いられていた技法が見られ、会津本郷焼が歩んできた時代の移り変わりを感じることが出来ます。

そんな「じゃらんかけ」ですが、昔からの本郷地区の住人からすれば、生まれた時から、日常の風景として≪「当たり前に」「どこにでも」あるもの≫、であったので、それに特別な感情などは持っていませんでした。それは、会津本郷焼に係わるすべての人々も同じでした。

ですが「よそ者」の私にとって、そのカケラたちは会津本郷焼が産地として歩んできた歴史を物語っているとても価値のあるもので、それは地中に埋まってキラキラ光る、「宝物」のように見えました。

私は、この「じゃらんかけ」を活用する方法を模索していく中で、「じゃらんかけをアクセサリーにする」というアイディアを思いつきました。

この「じゃらんかけアクセサリー」のブランド名を「TESORO（テソロ）」と名付けました。「TESORO」は「宝物」という意味で、私が「じゃらんかけ」と出会った時に感じた、まるで「宝物」を見つけたような感動と高揚感を皆さんにも届けたい、という思いが詰まった名前です。

2020年5月にオンラインショップをオープンさせました。これから、この「TESORO」を多くの方に知ってもらうため、県内外の展示会や、イベントへの出展も行っていきます。また、それと並行して、「じゃらんかけ」の価値を実際に触って感じていただけるよう、会津本郷地域での常設展示販売や、「じゃらんかけ」を使ったアクセサリーワークショップの開催を計画しています。

私はこの「TESORO」が、手に取っていただいたお客様、作り手である私や、「じゃらんかけ」が埋まっている本郷地域の人々など、多くの方にとって“宝物”と感じていただけるようなブランドにしていきたいと思っています。

これからの「TESORO」をどうぞよろしくお願いいたします。