幼い頃から陶芸に慣れ親しみ、3歳で作った茶碗があるという手代木崇さん。閑山窯の作品の特徴は、青磁、白磁、炭化など種類が多様であること。光沢のあるものやないもの、ざらざらした手触りのもの、いくつか穴を空けているもの、わざと欠けさせているもの。種類だけでなく、形や色も本当に多種多様です。その根底にあるのは、ものづくりへの好奇心。本郷では珍しい青磁の作品を扱っていたり、ソーサーがないと倒れるマグカップを作ったり、斬新なデザインが多いのも、未知のものを作ってみたい、という好奇心からでしょう。
宝暦年鑑に初代閑山が作陶を始め、以来280年にわたり作陶を生業としてきた閑山窯。急須の茶こしの部分を日本で初めて考案したのが閑山窯だったと言われていますが、それも先代の好奇心だったのかもしれません。
地下に作られた工房にお父さんと一緒に入るのは、平成23年生まれの息子の朔君。作陶の道具を使いこなし、粘土でお皿やニンジンを作る楽しそうな姿に、ものづくりへの好奇心が受け継がれてゆく様を感じます。