流紋焼の特徴は、色とりどりの釉薬を使った「流し釉」。1250度に熱せられた窯の中で釉薬が熔けて流れ、種々様々な紋様を描きます。それは、自然の事物と同様、一つとして同じものはなく、一つ一つに豊かな個性があります。
流紋焼の創業は明治33年。もともと電気事業に不可欠な碍子(がいし)を作る会社でした。碍子の製造で使っていた赤・青・茶色などの釉薬の技術を活かして釉彩の器を作ろうと、戦後に美術陶芸器部を設け、流れるような釉薬が開発されました。「土のもつ自然の心」を出来る限り失わないようにと創られる器。これを流紋焼と命名し現在に至っています。
本郷で最も大きな窯元である流紋焼。代表取締役の弓田修司さんは、会津本郷焼をまとめあげる、ムードメーカー的な存在。自らも作品を生み出すとともに、会津本郷焼全体の課題である技術の創出と産地の継承に、本気で向き合っています。