1959年、宗像窯七代目の長女として誕生した宗像眞弓さんは、27歳の時に陶芸の道に入り、七代目の父・亮一さん、兄・利浩さんに師事していました。宗像窯から独立したのが2011年。震災の年でもあり、日本橋三越本店で初めて宗像眞弓としての個展が開かれた年でもありました。
独立するにあたって、今までと全く違うものを作りたかったという眞弓さん。白が好きだったこともあり、たどり着いたのは必然的に、会津本郷焼では数少ない白磁の器でした。作品もさることながら、窯も、粘土を練る機械も、すべて白で揃えています。
「清潔感があり、使ってわくわくする、幸せな気持ちになれる、自分のモノと感じられる器を作りたいんです。伝統を生かしながら現代のデザインを取り入れていきたい」。そう語る眞弓さんの作品には、シンプルなものが多いのですが、レースや花、オリエンタルな柄をあしらったものも。女性的な繊細さ、軽やかさが感じられます。シャープだけど、有機的な柔らかさがある。眞弓さんならではの感性を生かした作品です。